普通に面白かった。というのが感想。
だが、この映画をみて何か得るとか、伝えたいメッセージとか、そんなもんは考えてはいけない映画だなと。毒なんだけど、毒にも薬にもならんというか。ただの娯楽映画として見えば普通に楽しめたんではないかな。
でももしかしたら韓国の貧困問題とかを一応は描いてんのかな?しらんけど。
”パラサイト”していく過程が意外と丁寧で違和感もなかった。
原題は기생충と書いて、寄生虫らしい。絶対パラサイト半地下の家族よりも、寄生虫の方がふさわしい。邦題はクソとよく聞くが、ご多分に漏れず。
流血シーン
幸せな日常に異質なものが一匹紛れるあの感じは、よく妄想するんだが、よく出来ていたと思う。
パパンがあの金持ち父さんをぶっ刺すのは、ええ!!?っと少し驚いた。いい意味で。ここまでやったらイテマエ感は好き。
ジェシカが刺された時「お父さん押すからもっと痛い」なんていう台詞を吐くのだが、これがとてもよかった。なんていうかナテュラルで。人間性が出ててるし、不自然なようでむしろリアルがある。
ただ『奥様を愛してますもんね』と言われた時や、仕事だと思ってやってくれって言った時のダンナの態度とか、中途半端やなと思われるシーンが多々合った。カットしたのかな?
奥さんのことを性的な目でしかみてないってこと?
クソやろう感が足りん。
それだけじゃなく、片付けの途中に手を切ったジェシカとか、トンツーを解読した息子とか、何か中途半端というか、伏線になり得る色んなものを散らばせていて、よく言えば先が読めない、悪く言えば無駄が多い。前述のパパンが金持ち父さんぶっ刺すので、驚いてしまったのも、刺す伏線として弱かったからだ。だが、不思議と動機が弱いとか感じなかった。それは家内にゴキブリと言われて怒る演技?をした時など、随所に劣等感みたいなものを散りばめていたからではないかな。
・・てなことを書いてみると大きな伏線はないけど、よく考えれば、人が大きな行動を起こす時って、少しずつ積み重なったものが爆発するパターンも多いので、むしろとてもリアルなのではないかなと思いだした。狙ってやってんならすごいかも。
息子の語るエンディング、何をしても笑うようになってしまった自分、ジェシカの死とか。本当にこれで何を伝えたいかではなく、面白さ?っていうのかな、衝撃みたいなものを選択し陳列しているような、そんな感じさえした。
息子が立派になって、家購入して、パパン出てきてTHE END。かと思いきや、手紙を読み上げの息子でTHE END。
これも悪くない。本当にエンタメ?っていうか面白さ”だけ”でみたら。
一応実際の未来か、こんな息子がそんなことできるわけない、そんなハッピーエンドを迎えていいはずがないという解釈を持たせれるし。
一言で表すなら、面白いだけの映画だった。
二回目観てもいいかなとは思ったので、そこはさすがアカデミー賞最優秀といったところか。
エンディング
若干ボブディランイズム歌声と”思いきり吸い込むPM2.5″という歌詞に少し感心してしまい、何か合ってるぞと思ったが、それは最初だけであとは爽やかになりすぎてアカンわってなった。
この記事は某配信サイトで初視聴直後に書いたものである。